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大山の自然を感じ、守る活動を知り体験するワークショップ@大山

投稿日:2025年6月5日 更新日:

大山頂上付近の雪もほぼ溶け、麓からの新緑が緑の色を増した5月20日(火)、風は少し強いですが、最高のお天気です。参加者は大山ナショナルパークセンター(以降「大山NPC」という)に集合しました。
朝早くから移動されてきた方が多かったですが、皆さん笑顔。この日をすごく楽しみにしておられた様子です。
まずは、大山NPC内でオリエンテーションを実施、今日の予定と国立公園ならではの注意を聞きます。(動植物は持ち帰らない、ガイドの注意を守る、自分の身は自分で守る、当日は暑かったので水分補給にも注意しましょう など)

いよいよワークショップのスタートです。
午前中は座学です。
「大山における自然公園財団の関わり」と題して、公園の維持管理の活動と、大山山頂の緑化活動の歴史について学びました。こんな活動があったのだと皆興味深く聞き入りました。スタッフの皆様が大山の自然を守る為多くの活動をされていることを改めて知りました。個人的には、環境変化で姿を消した昆虫を再導入するための活動に興味がありまりました。植物の保護だけでなく昆虫との関係回復も自然保護の一環なんだなと勉強になりました。ご説明頂いた「一木一石運動」については午後の活動で体験できるということで楽しみです。
※一木一石運動(いちぼくいっせきうんどう) ・・・ 裸地化する大山山頂を緑化するために、昭和60年から続く活動。“一木”は裸地化した土地に植栽すること、“一石”は浸食された溝を埋めるため に苗木や石を登山者に山頂へ運んでもらう運動。
昔、教員の経験もあるというスタッフさんの熱い説明、30分があっという間でした。
次は、大山NPCの向かいにある 大山自然歴史館の見学です。今回、館長が直々に説明していただけるそうです。意気込んだ館長は、座学の会場付近まで迎えに来ていただいており、大山NPCのデッキにて、参加者とご対面!大山の景色を見ながらのスタートとなりました。

大山ナショナルパークセンター デッキにて 大山を見ながらの説明。

大山自然歴史館では、大山の成り立ちや、山岳信仰と大山反映の歴史について、また貴重な動植物について、館長の軽妙な語り口で説明いただきました。毒キノコを食べるとどうなるか・・・少し危険なお話もとても印象的です。
過去には上皇上皇后両陛下もお越しになり、館長が説明をされたそうです。

あっという間に時間が過ぎ、もうお昼です。
楽しみなお昼ごはん!地元の名物、「大山おこわ」を皆さんに楽しんでいただきました。
ボリューム満点でおいしく、皆さんにも好評でした。
地元で人気のキッチンカー「キッチンきりん組」さん にお願いして作っていただきました。

午後はハイキングコースの散策と石拾いの体験です。
まずは、午前中の座学で学んだ、一木一石運動協力の為に、大山を望む南光河原(なんこうがわら)に向かいます。ここで、パトロールカーとご対面!自然のなかだとデザインが更に映えますね。皆写真をパシャリ!!

財団スタッフさんの説明を受けながら、河原に降りて握りこぶし大の石を拾っていきます。大山の山頂から転がり、河原に流されてきた石は角が取れてどれも丸みを帯びています。
石箕(いしみ)に石を入れ、ホイールローダーのバケットにどんどん運んでいきます。スタッフさんの経験則から15分程度かかるだろうと開始するも、スバルチームの行動力で10分でバケットがいっぱいになりました。
ここで水分補給。休憩して夏山登山道に向かいます。

ここから登山道を歩きながら森の中へ入っていきます。
鮮やかな緑が目に飛び込んできます。
ハイキングコースのあちこちに寺社の跡や石垣が残っています。最盛期には100を超える寺院があったそうです。
太い杉の木やブナの林の中を歩きます。この辺りは昔から1木1草切り出してはならないとされており、そのため巨木化していったと説明がありました。

大山は西日本最大のブナ林が広がっていることでも有名です。ブナの幹を触るとひんやり冷たく感じます。
幹の中にたっぷりと水を貯めているのだそうです。
ブナの根は太く横に伸びる性質があると説明がありました。散策ルートにはその太い根を身近に見れる場所があり、説明がしっかり頭にのこります。

可憐なイワカガミが目を和ませます。イワカガミという名前は、葉がつるっとした鏡のように艶があることから名づけられたとのこと。

昔は湧水が沸いたという、「利生水跡」(りしょうすいあと)、その昔、養蚕の為蚕の卵を保管する目的で使われたという氷室の跡「風穴」などの遺跡を巡っていきます。財団スタッフを合わせると30人以上の大行列ですが、列を乱さず進んでいきます。横は崖というエリアもあり十分注意が必要です。

森を抜けたら川渡りが待っています。スタッフさんに手を支えられて渡る人、岩の上を軽快に超えていく人、皆自然を楽しんでいます!この河原が先ほど石拾いをした河原につながります。大山の雪解け水が爽やかな音を立てて流れる河原。水は透明で冷たいです。森を抜けてほっと一息の時間。

さあ、ゴールは目前!大山寺山門前を通り、参道を下り、大山NPCに到着します。約1時間しっかり自然を満喫しました。

最後に、大山の雄大な景色をバックにパトロールカーと記念撮影をしました!

ご参加の皆様からは、
大山の自然やスタッフさんの仕事について知らなかったことをたくさん知れた。自然保護活動(一木一石運動)に貢献できて役にたてた。地元に住んでいても知らないことを知れた。説明を受けたあとでの体験はすごくためになった。など沢山の嬉しい感想がいただけました。
このワークショップを通して、財団スタッフの活動や、自然保護の取り組みを多くの方に知っていただけ、大山が未来まで美しく受け継がれる、そして沢山の方に来ていただき楽しんでいただける、そんな場所になればと願います。

今後も大山での活動をこのページを通じてお伝えしてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

最後に、石拾いで集めたうちの一つを、翌日山頂へ届けましたのでご報告しておきます。